続moss

「コケ」という言葉は一般にはいろいろな植物群のものを含めて、小さくて、あまり目立たないものを総称している。(井上浩『フィールド図鑑 コケ』東海大学出版会、1986)

溝口健二『浪華悲歌(エレジー)』『祇園の姉妹(きょうだい)』(1936)を観て、『残菊物語』(1939)『噂の女』『近松物語』(1954)は観ないまま7泊の貸出期間が終わりDVDを返却した。『浪華悲歌』『祇園の姉妹』は19歳の山田五十鈴が輝いている。特に『祇園の姉妹』がよかった。物語的にも空間的にも『山椒大夫』のような大スケールではないけれど、そのなかで画面は躍動していている。『浪華悲歌』には大阪の村野藤吾の建築が映っている模様。心斎橋そごうのほか、たぶんキャバレー・アカダマも。モダンなアパートのセットは大阪パンションをモデルにしているらしい。