続moss

「コケ」という言葉は一般にはいろいろな植物群のものを含めて、小さくて、あまり目立たないものを総称している。(井上浩『フィールド図鑑 コケ』東海大学出版会、1986)

滝田洋二郎おくりびと』(2008)をテレビで観た。これははっきり嫌な感じがする。日常のリアリティをつかもうとせず、映画に都合のいい時に都合のいいやり方で、ばんばんと人を死なせる。納棺の仕事を不自然に貶めてから持ち上げる段取りはまさにマッチポンプというもので、その仕事に敬意をもった扱いとは思えない。とは言うものの、一方で『おくりびと』と『ゲゲゲの鬼太郎』との違いは、製作者がたまたまそれぞれのテーマを選択したという違いでしかないような気もする。